旅のはなし―③はじめてのアメリカ その1―

暗唱大会で無事2位になり、約束どおりアメリカ研修旅行へ参加することになりましたが、
その旅行の費用は1位受賞者は全額YMCA負担。
しかし、残念ながら2位だったので費用は親に出してもらいました。
今思えば、それほど豊かな暮らしをしていなかったので費用を捻出するのにどれだけ
大変だったんだろう…なんて思ってしまいます。


参加者の顔合わせ、ということで神戸・六甲山にあるYMCAの研修センターで1泊2日の
合宿がありました。
中1〜中3まで全員でおおよそ10名ほど。
ほとんどが、幼いころから海外へ遊びに行っていたような人でした。
だからある程度海外に慣れているので、いろいろ教えてもらいました。
そこで、自己紹介の仕方やよく使う表現を勉強したり、参加するにあたっての
オリエンテーションがありました。


合宿の1ヵ月後、大阪国際空港伊丹空港)に集まった一行はLos Angelesへ向かうため
いったん成田空港へ、そこからLAへ向かいました。
利用した航空会社はANAで、田舎がなかったおいらにとっての初めての飛行機。
緊張して機内の様子はほとんどおぼえていません。
祖父はおいらのアメリカ行きを喜んで、愛用の地図においらの日程表をはりつけて
行き先に赤丸をつけていたようです。


LAX(ロサンジェルス国際空港)へ到着したときは、夢のようでした。
日本と違って広いし、人は大きいし、みんな何を話しているかさっぱりわからない。
何度も海外へ行っているはずの仲間もおおはしゃぎしていました。
トラックの装飾も、日本のとちがってなんだかかっこよく見えます。
引率者とアシスタントの大学生(神戸大学の方でした)に連れられておどおどしながら
歩いたことを、昨日のように覚えています。


LAXから外へ出ると、テレビで見たよりもずっと美しい青空が見えてため息がでました。
ああ、とうとう来たんだな…
おいらの通う中学では帰国子女の人はいたけど、大部分が海外へ出たことのないクラスメート
が多かったから、行く前はすごくからかわれてきたけど
そんな日常を忘れさせてくれるくらいに異空間でした。
人はフレンドリーで、話し掛けられたときには落ち着いて「日本から研修旅行にきた。
初めてのアメリカで緊張している」というようなことを話したと思います。


LAXに到着したのは昼頃。いったんホテル(なんとホテルの名前はEaglesの有名な歌
Hotel Californiaだったと思う)へ向かい、チェックインを済ませてから
バスでDowntownを観光し、groceryでパンとオレンジを買ったときはなんだか
現地に住む人になった気がしてしまいました!


印象深かったのは、鉄格子してあるapartmentやcondoが多かったこと。
聞くところでは、暴動が起きたときの防衛策なんだそう。
平和な日本で暮らしていると、カルチャーショックを受ける話でした。
確かに、夜は気をつけて歩いたほうがよさそうな感じです。
おいらは海外へ行ったときは、なるべく夜8時以降は外出しないように気をつけているの
ですが、その原点はこの話です。


この旅の話は3から4回に分けて書こうと思います。